金属部品加工の達人 亀屋秋雄さん
1944年(昭和19年)生まれ、山形県西川町出身。幼少期を山形県で過ごし中学を卒業後上京、微細加工を専門とする株式会社信栄テクノに入社する。
12年間の勤務を経て山形県寒河江市で有限会社三泰工業所を設立して独立。現在は有限会社三泰工業所の会長として、「生涯現役」を掲げながら、常に現場に立つ。
趣味は、家庭菜園でブドウ、キウイなどを栽培。
少数精鋭の技術者で業界を躍進する
地元山形にUターンして独立起業
ある企業が神奈川県川崎市から山形県河北町に事務所を移してきたのです。いつも活気に満ちている企業だったので、「どうしていつも景気良く経営されているのか」と聞いてみました。その会社の経営者はこう答えました。
「世の中が不景気の時には、簡単に稼げる仕事案件を周囲の業者が引き受けていき、周囲の事業者が嫌がるような効率の悪い仕事案件が残っている状況でした。そうした他の事業者が手をつけようとしない仕事案件を受け続けるので、うちは不景気なんて感じないのです。」
この考えは会長に大きな影響を与え、現在の企業の経営方針の土台となりました。
積極的な営業はしなくても、難易度やリスクが高い仕事を引き受けるうちに、企業としての技術と信頼も向上。様々な加工機械も会長のアイデアと創意工夫で作り上げていきました。
現在も、景気変動のある中、通常1つのNC工作機械で1日100個の部品しか作れないところを、会長は300個製造できるようにしたり、1つのプログラムを書く所要時間を大幅に削減するアイデアを発案したりと、改善と努力を惜しまない姿勢を貫き、不景気でも仕事がなくなることはほとんどないそうです。
社長の公祥さんも同業企業で技術を磨き続け、12年前(※2019年現在)に跡継ぎとして入社し、後継者問題もなくなりました。「技術は磨いてきたから、難しい仕事をどんどん請けるようにしたい」と会長に話したという社長の公祥さん。会長の血筋を感じさせるようなチャレンジ精神を持つ社長が、会長との二人三脚で会社を牽引し続けます。
世の中の最先端を研究し続け、細かく難易度の高い製品を作ることに特化したことで、お客様の信頼を高め続ける三泰工業所。最後に会長は、現在のものづくりの仕事についてこう語ってくれました。
「どんな仕事も、好きなことでないと長く続けていくのは難しい。
好きなことは楽しんで仕事ができる。
楽しんで仕事ができると、心に余裕ができる。
心に余裕ができると、余暇も楽しめる。
余暇も楽しめると、良いアイデアが浮かんできて良い仕事もできる。
心にゆとりをもちながら、仕事を楽しんでやっていきましょう。」
ものづくりを楽しみながら、技術の向上と改善に取り組み続ける会長の秋雄さんは、今日も楽しんでスタッフと一緒に現場で製品を作っています。
飽き足らない向上心。今の若い技術者たちが学ぶべき姿勢がそこにありました。
有限会社三泰工業所
小規模・少人数ならではの高い技術力と小回りの利く仕事運びで正確さと満足のいく納期を実現している。
代表者: 代表取締役社長 亀屋 秋雄
設立:昭和48年7月
事業内容:機械加工、NC機械加工
所在地: 山形県西村山郡河北町谷地字嶋215-4
TEL:0237-73-2220