図面に込められたお客さんの想いを
しっかり受け止め、形にしていく。
会社設立から60年。ステンレス加工のスペシャリストとして、多品種少量生産を得意とする斎藤マシン工業(株)では、社員一人ひとりの技術力を武器に信頼を勝ち得てきました。「会社も、ものづくりも、人間が基本」の考え方は、若手エンジニアの真摯な姿勢にも表れています。
横山 裕樹 さん
福島県浪江町出身
地元の農業高校卒業後、自動車のリサイクル会社に就職するが、東日本大震災に伴って山形県に避難。2013年に斎藤マシン(株)に入社した。
小さい時からプラモデルを作ったり、ブロックを組み立てたりすることが大好きで、将来はものづくりの仕事に携わりたいと思っていました。当社は大量生産ではなく、一つひとつの製品を客先の要望を聞きながら一からつくるところに興味を持ち、入社しました。
製品を完成させるためには、一致団結したチームワークが必要です。社員一人ひとりの技術力の高さが当社のすごいところだと思います。他の人が対応しきれない部分をカバーし合い、協力し合う雰囲気の中で楽しく働いています。仕事をしていて嫌だと思ったことはないですね。
当社は工程設計から旋盤加工、マシニング加工、溶接、手仕上げまでをワンストップで行っています。その中で私が担当しているのは汎用旋盤という仕事。ステンレスや鉄などの材料を削ったり穴をあけたりして、さまざまな装置に組み込まれる部品をつくっています。最新式機械のオペレーションではなく、自分でハンドルを握って回転させながら削っていく作業は、よりものづくりをしているという実感があります。
高い目標を持ち、目標を失わないこと。「できない」と投げ出さず、「こうしたらできるんじゃないか」とポジティブに捉えるように心がけながら仕事をしています。
ステンレスや鉄、真鍮など材料となるさまざまな金属は、それぞれの材質によって加工の難易度が異なります。切削の仕方や使用する刃物を変えながら、的確に加工方法を見つけていかなければなりません。手で削っていく作業は、音を聴き分け、経験から養った手の感覚だけが頼り。機械にはない難しさがあります。
今は、大ベテランの先輩職人を目標に頑張っています。条件に合わせた刃物の選び方や手の感覚、経験による多彩な引き出しが素晴らしくて、同じ製品をつくるのに私は2時間かかるところを1時間で完成させてしまうほど。精度の高い技術力に、少しでも近づきたいと思っていますが、その背中はまだまだ遠いです。
達成感を味わえるのがものづくりの良さ。少しずつカタチになっていく工程がおもしろく、夢中になれる仕事です。
斎藤マシン工業株式会社
代表者:代表取締役社長 中川 健
設立:1963年
従業員数:52名(2023年3月1日現在)
事業内容:真空機器装置部品・製品の設計・加工、医療関連機器、食品関連機器、電子応用機器の機械加工・組立
所在地:(本社)山形県天童市石鳥居2-2-64
(中山工場)山形県東村山郡中山町大字長崎中原1040-1
TEL:(本社)023-655-4151
FAX:(本社)023-655-4347
URL:https://www.m-saito.co.jp/