NECエンベデッドプロダクツ株式会社

「ないものは自分で創り出せ」
ゼロからのものづくりに熱中
NECエンベデッドプロダクツ株式会社
米沢事業所(米沢市)

電子機械機器の開発・製造・販売やプリンタ事業を行うNECエンベデッドプロダクツ株式会社。本社は東京にありますが、県内には開発生産拠点の米沢事業所と米沢八幡原事業所の2拠点、さらに生産を担当する子会社NECエンベデッドテクノロジーがあります。従業員の9割にあたる180名は米沢の事業所に勤務しています。近年特に力を入れているのは、車載、産業系の組込み機器開発、生産であり、松田さんは、その事業を担う事業開発部のマネージャーとして活躍しています。

たくさんの出会いに導かれ、辿り着いた“ものづくりの出発点”

松田 智美(まつだ ともみ)さん

松田 智美(まつだ ともみ)さん
西川町出身。寒河江高校を卒業後、会津大学理工学部コンピュータソフトウェア学科に進学。卒業後、平成10年に前身会社である旧NEC米沢に入社し、現在に至る。

入社から現在までを教えてください

 

松田
大学ではコンピュータソフトウェア学科で学んでいましたし、これからはパソコンだ!という時代でしたので、ごく自然にパソコン業界に入っていきました。入社当時の会社名はNEC米沢。主にパソコンの開発、製造をしていた会社です。最初に配属されたのは、ノートパソコンのソフト開発の部署でしたが、ソフト開発は朝から晩までパソコンの前で作業するので、正直私には向いていませんでしたね。同じ場所でじっとしていることがあまり好きではないので(笑)。その後、アプリの開発やパソコン教室の講師、パソコンの営業など、様々な部署を経験し、2011年に現在のDMS事業部に異動となりました。

現在どのような仕事をされていますか

松田
私の部署は事業開発部といって、ものづくりの出発点ともいえる部署です。当社の開発力を活かせる新しいセンサーの発掘、新しい商材開拓が最大のミッションですが、プロモーションできる人材がいなかったということで、その部分も担っています。社会のニーズを掘り起こし、商品を企画し、当社で得意とする制御基板技術を応用して製品を生み出しています。

どのような製品を開発しましたか?

松田
産学連携を軸に、当社が保有しているシーズ(事業化の可能性がある技術やノウハウ)を具体的な商品に仕上げることを目標に、山形県が主催している病院ニーズ紹介イベントに参加しました。その中で紹介された病院で使用する酸素ボンベの酸素残量を、音や光で通知する補助装置「酸素ボンベアラーム」を山形酸素株式会社様と共同で商品化し、2019年1月から販売を開始する予定です。
酸素ボンベの流通量は全国に約100万本あり、ボンベ内の酸素残量は看護師や患者が目で確認しているのですが、残念ながら行き届かず、残量不足に陥るという例がありました。こうした事故を無くしたい、というニーズを受けてプロジェクトが立ち上がったわけですが、ボンベ内は高圧のため、いくつも問題を解決する必要があり、製品づくりは簡単ではありませんでした。苦労の末に完成し、多くの事故を防ぐ希望となったことは本当にうれしく思いますし、何より私がそのきっかけを創り出せたことに達成感を感じています。
NECエンベデッドプロダクツ株式会社
松田さんが開発に携わった「酸素ボンベアラーム」
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要となる制御基板
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製品を創り出すために、チームのコミュニケーションも欠かせない。

直感力を大切に

何もないところから生み出すこと。難しくはないですか?

NECエンベデッドプロダクツ株式会社
松田
今の仕事でとても役に立っているのが、10年ほど前に所属していた部署での経験です。私は、企業と県(地域)とを結ぶコーディーネーターとして朝食会などを開催していました。様々な企業の社長が集まる場でしたので、とにかく人脈が増えました。おかげさまで、今も商品開発のヒントになるような情報を教えていただくことがあります。
今は特に医療分野について力を入れていて、積極的にセミナーなどに出席し、ニーズを探しています。「何をしにきたの?」という反応をされることもありますが、ゼロからものを創るということは、様々な情報や資料が必要になりますので、くじけず笑顔で足を運び続けています。当社の主力事業である組込み製品開発は、必要な開発スキルの幅が広く、故に、色々な製品を創り出すことが可能です。まずは、できるできないという制限を自分に掛けることなく、こういった製品なら世の中のためになる、そういう視点で活動しています。

仕事をする上で大切にしていることは?

松田
まずは直感力ですね。ピン!と浮かんだひらめきを大切にして、ゲーム感覚でパズルを組み立てていくような感じでしょうか。あとは、人を大切にすることですね。協力してくれる全ての企業の方に対して、同じ目線で話をします。同じ目標を持つ協力者なのですから。逆に、お客様からは、同じ目線で話をしてもらえるように頑張っています。私は、仕事の上でも、人として大切なことを守っていきたいと考えていますし、強い営業力は、強い人脈の上に成り立つと思っています。

道を切り拓いてくれる頼もしい存在

松田さんはどのような社員さんですか?

NECエンベデッドプロダクツ株式会社
「松田さんのフレンドリーな人柄も大好きです。」と話す 総務部 横尾莉紗さん
横尾
私が入社したばかりの頃、社員の皆さんの顔と名前がなかなか一致しない状態だったのですが、松田さんだけはすぐに覚えてしまうほど、とても目立つ存在でした。女性が少ない中で、松田さんがバリバリ活躍している姿を見ると、自分も思い切って仕事をしていいんだ、と思えます。また、私は文系のため、採用活動での理系学生へのアプローチに自信がなかったのですが、そのヒントなどもいただいています。困り事があれば松田さんに聞けば解決する!という安心感があるので、本当に頼りにしています。

「知らないことを知っちゃった!」が原動力

今後の目標を教えてください

NECエンベデッドプロダクツ株式会社
私は、社内にいることは少なく、基本的に外に出て情報収集などに勤しんでいます。多くの方とお会いする中で、“知らないことがまだまだたくさんある”“自分はまだ狭いところで生きている”と痛感します。それと同時に「また知らないことを知っちゃった!」と嬉しくもなります。今後も現状に満足することなく、もっと色々なところに足を運び、視野を広げることで、当社の可能性を高めたいと思っています。
また、職場環境も変えていけるようにしたいですね。女性はどうしても子育てや介護など家庭環境の変化、また年齢に伴って起こる体調の変化などに左右されることが多くなります。そういうハンデを乗り越えられるよう職場環境を整えて、女性が活き活き、キラキラと働ける会社、自分らしいことができる職場になっていけばと。かつての上司から言われた「ないものは自分で創り出せ」という言葉を胸に、ゼロから作り出す楽しさを追求していきたいと思います。

ものづくり産業を目指す女性にメッセージをお願いします。

まずは「一緒にやりましょう!」という一言ですね。世の中にたくさん埋もれている“思ってはいるけれど形になっていないこと”の掘り起こしは、とてもやりがいがあります。無限にあるニーズに寄り添い、製品として形にすることは、世の中の悩みを解決することにつながります。「こんな製品あったらいいのにな」という夢に、私と一緒に挑戦し、世の中を豊かにしていきましょう!
(2018/11/7 取材)

NECエンベデッドプロダクツ株式会社 米沢事業所

企業からのメッセージ
NECエンベデッドプロダクツ株式会社
当社は、お客様のニーズ・想いを確かなカタチにすること、その先にある喜びや感動の創造を目指し、商品企画から開発・製造・販売・サポートまで一貫した事業を行っています。NECの先端技術を活用し、NECグループ内外の多岐にわたるお客様に製品を提供しています。製品の技術開発を行う社員は全体の半分を超え、業種・職種柄、女性社員は多くありませんが、様々な部署や役職で活躍しています。その活躍を推進するためにも、休暇制度や勤務制度等は親会社であるNECに準じて整備をし、男女ともに働きやすい職場環境づくりに努めています。

社員数

代表者:代表取締役社長 角田 和之
所在地:山形県米沢市アルカディア一丁目808-33
TEL:0238-29-0370
URL:https://www.necep.co.jp/top/index.html
産業分類:電気機械器具製造業
事業内容:組込み機器開発製造事業、プリンタ事業
インターンシップ、企業見学の受入:可(インターンシップは要相談)

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