信夫さんが最も力を入れているのは、日本の木を使った作品づくり。エンジュ、金山杉、ヤマザクラ、ケヤキ、クリ、イタヤカエデ、クルミ、ブナなど、山形県内や北東北を中心とした木材(広葉樹を中心)を使用しています。
現在日本で使用されている木材の9割は輸入材。「輸入材は一見『安い』と思うかもしれませんが、運搬に伴って多くのエネルギーが使われています。それよりも地元の木を使って器を作り、その器で地元の食材を食べる。高い、安いという物差しではなく、食べることや暮らすことへの満足感、価値を高めることに重きを置きたいと考えています。」と信夫さん。
地元に拠点を置き、地元周辺で育った木を使った製品を発信したいと考えています。
使用している木は、道路工事などに伴って伐採した木や、雪の重みで折れてしまった枝などです。また、テーブルを作る際に出た端材を使って、スツールを作り、さらに端材を使って皿、そして箸→箸置きというように、徐々に小さいものを作ることで、木を無駄なく活用しています。
mocoのフラッグシップ(象徴的な商品)は日本の木の積み木「ekubo(エクボ)」。かわいいエクボがいっぱいの赤ちゃんの手をイメージして名付けました。14ピースからなり、三角形のピースには魚の顔が描かれています。この積み木を組み立てると、山形県の魚(県魚)(サクラマス)ができるそうです。サクラマスが川から海へ出てまた川へ戻ってくるように、積み木で遊んだ子どもが成長して故郷へ戻り、思い出がつまった積み木を次の世代に伝えてほしい。100年使えるようにと想いを込めて、1つ1つ手づくりで丁寧に仕上げています。
「年々進む地域の少子高齢化。このままでは地域の元気がなくなってしまう。今のうちから何とかしたい。」と考えた信夫さんは、年に数回、親子で箸づくりを行うワークショップを開催しています。ワークショップでは舟形の町の木エンジュを使っていて、地域資源の魅力も伝えています。
「近年は物があふれ、使い捨てが当たり前という風潮ですが、自分の手で自分が使う箸を作ることで物を大切にする心が育ち、木のことや自然のことを親子でより深く学ぶ機会になればうれしい。」
信夫さんは地域の将来へ危機感をいだきながら、箸づくりを通して次世代へ地域の魅力を伝える「橋」渡し役を担っていきたいと考えています。
有限会社ワンツー
1993 年4 月設立。家具・オーダーキッチンの企画、設計、製作、施工管理を中心に活動を始める。現在はオーダーキッチン・家具の企画・デザイン・製作・施工、店舗のプランニング・什器デザイン、高齢者のインテリア空間や台所等のプチリフォーム等をはじめとしたインテリアリフォーム、家具の修理やリメイク(椅子の張り替えなど)幅広く手掛けている。オンラインショップでは「moco」ブランドのインテリア小物や家具を販売し、ファンを増やしている。2010 年 山形県エクセレントデザイン賞、2012 年 山形県エクセレントデザイン奨励賞を受賞
創業:1993年
従業員数: 1名
事業内容:家具・木工製品製造業
所在地:山形県最上郡舟形町堀内189-2
TEL:0233-35-2112
FAX:0233-35-2116
URL:http://one2.co.jp/